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    過敏性腸炎について2 H24年2月10日
 
10)老中医の見解のまとめ

「腑陽有熱、臓陰有寒」

>脾腎陽虚で大腸に熱

葉天士の言うように、久泄には「腑陽有熱、臓陰有寒」が参考になる。苦寒辛温齐头并进する。

3)刘树农

泄瀉は止まったが粘液はある、便に形ない。これは腑陽の熱が残っているから。

(3-4)刘树农

過敏性腸炎は脾虚腹瀉に相当するが、慢性腹瀉として治療して効果なし。脾虚失運、湿熱内蘊として効果あり。

(5)章庆云

慢性泄瀉で白い粘液をだし下痢後不爽は脾胃虚寒+腸に濁が停滞、しているのだ。理中湯でいいとは言えず桂枝湯をもちいる。
桂枝湯+栝楼、薤白、もし便がくさければ桂枝湯+香連丸(黄連、木香)        ●ここでの腸濁とは湿熱、気滞、などであろう。

11)张伯臾

腸胃の慢性病変には虚寒証が多い。潰瘍性結腸炎や、急性発作には湿熱が交差する。苦温燥湿薬(黄連、苦参、椿根皮)を重要する。酢を入れて収斂する。

(9-1)蔡剑前

泄瀉が長いと脾陽を傷害する。脾気失調で湿内盛で便糖小便頻回。寒湿が長いと化熱して津液が上がれず咽痛嗄声。気滞になって糞塊できる

10)孔伯华

久泄

泄瀉が長いと脾陽を傷害する 

10)孔伯华

久泄瀉は脾虚(脾陽虚)であり、腎陽に及ぶ。

5)朱良春

久泄は傷津する

(2)钟诗珍

慢性泄瀉は脾肝腎が関与するが脾胃が主体。

6)董建華

暴瀉は実で、久瀉は虚で脾腎両虚である。虚寒の泄瀉に赤石脂、禹余粮、訶子、罌粟殻などの渋腸止瀉は初めから使わない。収斂で湿帯をおこして弊害があるから。脾陽虚滑脱のときは例外

11)张伯臾

そのた

泄瀉して、腹冷え、未消化物が混じり、食べると泄瀉するのは脾胃虚寒。五更泄瀉は腎陽虚。泄瀉の前に血圧高く手心熱は、脾胃損傷から肝陰不足で、脾弱肝強になる。

(11-3)蒲滔阑

小まとめ
1)久泄瀉がつづくと脾陽を損傷する。また陰液損傷(脾陰、腎陰)していくこともある。
2)慢性の泄瀉は虚寒証が多く、脾から腎に及んで、脾腎両虚(陽虚)になる。
3)泄瀉して、腹冷え、未消化物が混じり、食べると泄瀉するのは脾胃虚寒。五更泄瀉は腎陽虚。脾腎陽虚になると、腹痛して泄瀉になることが多い。
4)久泄には「腑陽有熱、臓陰有寒」というように脾腎陽虚でも大腸に湿熱を持つことが多い。
5)大腸に病が主のときは痢疾であるが、脾胃病変が大腸に移って起こることもある。大腸の病変になると粘液が出てくるし里急後重もでてくるし、また時に便は生臭くなる。脾胃湿熱ではおこらない。
11)いかに弁証するか。鑑別診断のポイント

昼間に腹痛して下痢。便の後、痛み減る。腹部の冷え強い。

脾気虚泄瀉では腹痛強くない、あっても隠痛。(あと水飲留腸でも腹痛が強くない)ところが脾陽虚、脾腎陽虚になると、腹痛して下痢になる。(寒邪が収引するため)。
腎陽虚では五更泄瀉が多いが、脾腎陽虚では不一定。(妙法解析の症例からいえる)

便の後、痛み減る、

これは腎陽虚、食傷。(陰寒と食積がとれて痛み減る)

●腹痛して便を催して行ってもでない。

里急後重「便が切迫するが実際はなかなか出ない」
→腹痛してトイレ行くがでない。
疾患が大腸におよぶことを示す。

便に粘液

①疾患が大腸の痢疾におよぶと粘液が出てくる。脾胃湿熱ではおこらない。
②大腸湿熱は粘液便、赤白粘液便、生臭い。寒湿痢では白赤粘液。
大腸虚寒は粘液白で滑(湿り気多い)で臭いはない、便色は浅い。

便が臭い

湿熱は腥臭。食傷は敗卵の臭さ、酸腐臭。
●湿熱も食積も大腸に及んだ時に臭くなる。
●寒湿痢、虚寒痢では便は不臭(原病式、症候鑑別診断学より)

下痢の後もさっぱりしない、残便感ある

残便感がおこるのは大腸の機能失調であり、腸気滞が関与している。①湿熱があれば大腸の通降が失調して腸気滞になり残便感がおこる。または②瘀血があれば気滞、そして腸気滞も引き起こして残便感を起こす。また③肝郁から肝失疏泄→脾胃の升降視失調→腸気滞」となる。
生理的に大腸の糟粕排泄作用には胃の通降作用が大きく関与する。(その他に肺の粛降作用、脾気の運化作用も関与する)

下痢後も痛みとれない

肝郁脾虚。中医臨床121号(2010.6月加島)では肝郁脾虚なら下痢の後痛みが減る、とあり矛盾する。→私)肝郁のみなら、例えば、ため息すれば少し楽になる。しかし肝郁が脾胃升降失調起こし、腸気滞をおこすと下痢後も腹痛おこす。症例1でセスデン(抗コリン剤)使うと、下痢後も腹痛が起こるようになったことから言える。

泄瀉が長い

脾陽を損傷する。(また陰液も損傷)

腹脹は食べてからしばらくしてから起こる。

①脾陰虚は腹脹あっても食後すぐでない。脾陽虚は食後すぐにでる。                                        
②脾陰虚は脾陽虚もおこして浮腫になりやすい。

残便感

肝気犯脾

腹痛泄瀉があって排便不爽、腹脹して失気も多い。肝気欝血が犯脾して脾胃の升降失調が腸気滞をおこして残便感でる。

傷食泄瀉

食積が胃に積り、脾胃升降失調おこし、腸気滞になる。泄瀉して排便不爽で完谷不化、酸臭がある。

湿熱蘊結

湿熱が気機阻滞して、腸道気機不調(腸気滞)になり、下痢は黄色、糜爛で不爽。口粘、口渇する。

瘀阻腸絡

下痢長い、下痢後不爽、残便感、腹部刺痛、痛み定所、拒按、面暗、瘀点、舌質暗紅、口干不多飲、脈弦小渋。残便感は瘀血が腸気滞を引き起こして起こる。

12)追加症例(残便感と失気)
①福●ま●24女、160cm、40kg
主訴>1年前から無月経,
生活歴>夕食9時、米3回、間食1/w、水分1l/日
便2-3/日、便は先硬後軟。残便感あり毎回。食事中に腹鳴してトイレに行きたくなる3/日。少し臭い(自分では不明)。尿2-4/日、切れ悪い。睡眠23~7、眠りが浅く物音で目覚める。
現症>手痺れ。手足指先冷え、経前疲れやすい。口渇少飲、こむら返り。経前イライラ、経前食亢進、食後眠い月経>ホルモン剤で月経くるがやめるとこないのがこの1年。最近は4月前にホルモン剤でこさした。経痛強い。血塊有、小豆大2こ。子宮小さい。
舌質淡紅、薄白  脈弦軟、関弱
腹診。腹直筋緊張、動悸(臍~心下)
弁証>肝腎不足、脾胃不和
人参5白朮3鶏内金3麦芽8桃仁5当帰5川芎5杜仲5枸杞子8芍薬5香附子7乾姜3
+海馬補腎丸
これで残便感はなくなる便1/日。食事中にトイレいく;3/日→1/2日

②23歳女、154cm59kg  血圧96/74(72)
主訴>人の多い所にいるとガスが出る、臭い。気づかずにガスが出る,日に10回以上。(数年前から)夏になると酷くなる。人のなかではいつも肛門を閉めるようにしている。昼間眠い
既往歴>甲状腺機能低下症で内服中。
生活歴>夕食8時、朝昼米、有は米抜きのおかずだけ。
果実多い、刺身1/2w、サラダ1/w。水分1l/日、便1/2日、軟、形あり、においが強い、この1か月~。残便感あり。尿5.6回
睡眠12.30~6.30、デパス服用中(不眠のため)。ベリーダンスは2/w
現症>肩こり、自汗、暑がり、冷え症、冷飲多い、口渇少飲、眼疲れ、頭痛(少陽経、、朝が強い、ずきずき)喉詰まる感じ。憂鬱、不決断、腹脹。噯気5/日で臭い。食後眠い30分後くらい、朝昼が多い。ガスでる。喉がイガイガ(クーラーの下にて)
月経>遅れる、量普通、鮮紅色、血塊ない、経痛軽い。
舌淡紅、黄白膩、剥苔、脈沈緩軟
腹診>脾部に痞、臍下左右に圧痛。
弁証>脾気虚湿熱、土虚木乗、陰血不足、肝気虚。
処方>黄耆10人参5白朮3炙甘草4生姜1半夏3陳皮3柴胡2木香4檳榔子4大黄2川楝子2+竜骨15
1w後には自然に漏れるガス減る、ガス、便のにおい減るがまだにおう。食欲少しあっぷ。便でる前に少し腹痛ある。夜は5.30からうとうとがふえた

13)残便感について明確に記載している書籍はすくない。よくまとまった所で中医診断学p201がある
1)排便不爽になるのは


肝気犯脾

腹痛泄瀉があって排便不爽、腹脹して失気も多い。肝気欝血が犯脾して脾胃の升降失調して腸におよぶ。

傷食泄瀉

食積が胃に積り、気機不利になり泄瀉して排便不爽で完谷不化、酸臭がある。

湿熱蘊結

湿熱が気機阻滞して、腸道気機不調になり起こる。下痢は黄色で糜爛で不爽。口粘、口渇する

2)追加説明する
①まず「気滞」には「肺気滞、肝郁気滞、脾胃気滞、経絡気滞(病因病機学p349)」とあるが、「腹が痛んで排便困難おこす排便不調は、肝木乗脾、腸管気滞に属する(留学生用教材診断学p80)」とあるように腸気滞というのもある。
②「大腸の糟粕伝化は胃の通降作用が大腸の糟粕排泄作用に大きく関与している。その他に肺の粛降作用、脾気の運化作用が関与する。(中医基礎理論p120)」つまり、大腸の糟粕排泄作用失調が腸気滞である。
③「瘀阻腸絡:下痢長い、下痢後不爽、残便感、腹部刺痛、痛み定所、拒按、面暗、瘀点、舌質暗紅、口干不多飲、脈弦小渋(実用中医内科)」でも残便感はある。「気血同源、陰陽互根であり気病やがて血病にいたる。『気行則血行、気滞則血瘀』逆に血瘀から気滞もおこる。(鑑別診断学p45)」としているので血瘀から腸気滞もありえる。

肝気犯脾

腹痛泄瀉があって排便不爽、腹脹して失気も多い。肝気欝血が犯脾して脾胃の升降失調が腸気滞をおこして残便感でる。

傷食泄瀉

食積が胃に積り、脾胃升降失調おこし、腸気滞になる。泄瀉して排便不爽で完谷不化、酸臭がある。

湿熱蘊結

湿熱が気機阻滞して、腸道気機不調(腸気滞)になり、下痢は黄色、糜爛で不爽。口粘、口渇する。

瘀阻腸絡

下痢長い、下痢後不爽、残便感、腹部刺痛、痛み定所、拒按、面暗、瘀点、舌質暗紅、口干不多飲、脈弦小渋。残便感は瘀血が腸気滞を引き起こして起こる。

14)失気
失気について> 中医診断学p171より

肝郁気滞

イライラしておこりやすく、両脇脹満、ため息よくつく、胸悶、食欲なく、脈弦。ガス酢は連続して音はするが臭くない

脾虚食滞

暴飲暴食で、脾失健運、食滞中焦になり、宿便が停滞する。
ガスは敗卵臭、納差、悪心、嘔吐、脘腹張痛。

気虚下陥

久病から気虚になりガスが連続する、少腹墜腸、内臓下垂、脱肛ともなう。

12)中薬の使い方

脾胃温煦

乾姜

①乾姜、荜茇>3)叶天士
②炮姜で脾陽を温し、荷葉で升清泄濁          (8-3)张泽生     

温腎

仙霊脾
補骨子
炮附子
肉桂

①仙霊脾15補骨脂15赤石脂20で温腎壮督>5)朱良春
②脾陽が久虚だと腎陽に及ぶ。それで後で炮附子加えた。1)范文甫

温脾腎

乾姜
辛熱、脾胃心肺
肉豆蒄
(肉果)

附子

炮姜で温脾腎6)董建華

温脾腎でき止瀉する。肉果(肉豆蒄)は烏梅と協力して渋腸止瀉の効果あがる(8-4)张泽生

附子は温陽(6)魏龙骧

胃大腸

木香、檳榔子

赤石脂   

①ともに辛苦温(胃大腸)で、里急後重を治す。木香檳榔丸の解説より
②甘酸渋温(大腸胃)で渋腸止瀉、止血

胃腸気滞

薤白

 

薤白は胃腸の気機疎通して、海螵蛸は臍の周りの痛みを止める。附子は温陽(6)魏龙骧

肺→大腸

仙鶴草
苦渋平、肺肝脾
収斂止血、止痢、殺虫、(補気血)

収斂止血以外に温中消谷して止痢する。また腸吸収能高める。>5)朱良春

脾虚湿運

白朮、
茯苓
扁豆
車前子
山薬
六曲
白朮・枳実
木香、厚朴
荷葉

終始、参苓白朮散加減(8-6)张泽生
①健脾を主にして(人参、黄耆、白朮、山薬) 5)朱良春
②白朮、茯苓、扁豆で健脾燥湿7)章次公
③久瀉は傷脾するので白朮、六曲で健脾消食する。(4)凌耀星
④白朮、枳実(穀)を常用する。特に、脾虚失運、気滞痰凝、心下痞、便溏には適応する。木香、厚朴は健脾化湿。扁豆、車前子は健脾分利。荷葉は芳香醒胃、胃の清気をあげ、食欲増進し、消化を助ける。(8-9)张泽生
②白朮、山薬、扁豆、茯苓で健脾化湿する。太子参は養胃陰

慢性泄瀉で白い粘液をだし下痢後不爽

栝楼実・薤白
黄連・木香

脾胃虚寒+腸に濁が停滞、しているのだ。理中湯でいいとは言えず桂枝湯をもちいる。桂枝湯+栝楼、薤白      
もし便がくさければ熱あるので桂枝湯+香連丸(黄連、木香)11)张伯臾

腸の内熱には

黄連・丹参
黄連・木香
金銀花
秦皮
黄芩
馬歯莧
白頭翁
葛根
苦参
蒲公英
夏枯草

①黄連2丹参15>10)孔伯华
②金銀花、秦皮、香連丸3(黄連、木香)、白芍、白芷、防風蒲公英、夏枯草など>(3)刘树农
③秦皮9黄芩6馬歯莧30>(4)凌耀星
④黄連2.4白頭翁9馬歯莧30>(8-5)张泽生
⑤黄芩5秦皮5>(8-6)张泽生
⑥黄連1.2葛根9黄柏4.5>(5)章庆云
⑦黄連6苦参30椿根皮15>(9-1)蔡剑前

 

久病入絡

丹参
丹参・川芎

①丹参は活血以外に心腹の邪気をとり腸鳴を減らし、傷正しない。10)孔伯华
②附子理中湯に丹参15川芎6加味で改善11)张伯臾
久病入絡で便溏に有効

疏肝抑木

烏梅、白芍
陳皮炭
防風
青皮
木瓜
厚朴、枳穀
呉茱萸
石榴皮
白芍
荊芥穂

①烏梅、白芍で柔養抑肝。4)丁甘仁
②白芍で柔肝して,陳皮炭、防風で疏肝理気、6)董建華
③青皮、薤白で通気>7)章次公
③烏梅炭、木瓜、白芍で疏肝抑木する(8-2)张泽生
酸甘化陰で柔肝健脾する。
④厚朴、枳穀で理気化湿(8-5)张泽生
⑤木瓜、白芍、呉茱萸、石榴皮、烏梅炭の酸で木を泄する(8-7)张泽生
⑥柴胡、川楝子、延胡索、白芍で疏肝理気      (8-11)张泽生
⑧肝瀉を治すのは痛瀉要方で効果は100%。ただし白芍60は大量に使う。
⑨防風、荊芥穂で疏肝解郁し升陽して熱を下げる8)赵绍琴

陰陽両虚

 

烏梅、芍薬

桂枝湯、荷葉、黄土、仙鶴草

陰陽両虚のとき、補温で傷陰、補陰で湿停滞、清熱で湿を停滞させないようにする。8)赵绍琴
→補陰には烏梅、芍薬などの酸甘化陰。烏梅+太子参、玉竹で酸甘化陰。
→補陽も附子では温燥してしまう。桂枝湯、荷葉、黄土、仙鶴草

その他

海螵蛸

海螵蛸は臍の周りの痛みを止める

 
 
 
 
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