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    皮痺(硬皮病)2 h24.10.28
 

老中医のコメント
12-2)方思远
①当帰四逆湯を使用して反応は鈍かったが、1年後には弾性が戻り皺もでて関節痛なくなる。仙茅、仙霊脾は温腎壮陽する。丹参を重用して、当帰、桂枝加味して硬皮症にはっきりした治療効果あり
13)张友仁
②(私見★)当帰四逆湯にこの老師は桑枝を入れて通絡をつよめ、牛膝、炮附子で温腎助陽して独活、羌活で袪風除湿している。
15)李咏梅
①麻黄で温経散寒。②桂枝、当帰、赤芍、桃仁、紅花、鶏血藤で活血化瘀。③延胡索、郁金、枳穀、忍冬藤、絡石藤は理気通絡する。

黄耆桂枝五物湯(黄耆、桂枝、芍薬、生姜、甘草)+当帰四逆湯加減の処方

 

1)

3-1)

3-2-2)

3-3)

8)

10)

2例以上の使用頻度

脾腎陽虚
気血両虚

脾気不足
経絡阻隔
気血瘀滞

脾腎不足気血両虚経絡阻滞
血脈瘀滞

寒湿痺阻
(風熱犯肺治療後の処方)

陽気不足
湿濁阻滞

肺気不宣
脾気不足
経絡阻絡
気血瘀滞

黄耆

50

30

30

10

30

15

白朮

15

10

10

10

 

10

桂枝

9

10

10

10

10

10

当帰

9

 

10

10

 

15

丹参

 

15

30

 

30

15

党参

15

 

15

 

 

 

茯苓

 

15

15

15

 

 

木香

 

 

10

 

 

10

薏苡仁

 

30

30

 

 

 

白芥子

 

15

15

15

 

 

白僵蚕

 

10

10

10

 

 

鶏血藤

 

30

30

30

 

 

紅花

 

15

10

10

10

10

莪朮

 

10

 

 

 

10

赤芍

 

15

15

 

 

 

生甘草

 

 

 

 

10

6

 

竜眼肉15
遠志9
鹿角膠6
莵茲子15
補骨子15
茯神9

白芍15
伸筋草30
山薬30
杜仲15
女貞子30
山茱萸10

白人参10
秦艽30
枳穀10

その後
鹿角膠
附子
女貞子
仙霊脾

栝楼根15
炮附子10
肉桂6

菊花10
珍珠母30
虎杖15
苦参10
半夏10
陳皮10
枳実10
莱菔子10
紅棗20
桑枝10
烏梢蛇10
肉從蓉10
仙霊脾10

紫苑10
三稜10
川芎10

老中医のコメント
1)赵炳南>
●この病気は脾腎陽虚が多いので治療は健脾助陽、温経通絡そして軟堅する。この例には帰脾湯を使った。温腎には鹿角霜、莵茲子、補骨子を使用。
→表1では仙茅、仙霊脾が使用していたが、ここでは違う。

3-1)張志礼>
●黄耆、白朮、茯苓、薏苡仁で健脾益気、温経散寒、活血軟堅。杜仲、女貞子、山茱萸で補腎する
3-2-2)張志礼>
●患者は食少、腹脹、便溏なので健脾から着手する。食欲、回復してから鹿角膠、附子、女貞子、仙霊脾(温腎壮陽、温経散寒)を加えた。西洋薬で3年治療して酷くなってきたが、この治療3か月で改善した。
→党参と人参併用している。
3-3)張志礼>
●本は寒湿痺阻で表証は風熱犯肺。単に散寒すると風熱の邪が酷くなり、単に清熱すると寒凝はひどくなる。そこで温経散寒、益気活血、宣肺清熱する。
①桂枝、白僵蚕、当帰、鶏血藤、紅花は温通経脈、養血活血、
②黄耆、白朮は益気和中、
黄芩、前胡、全栝楼、桑白皮清宣肺熱。(表の処方は風熱が取れてからの処方)
病状が改善してから、温経散寒、養陰益気、活血化瘀する
④附子、肉桂、白芥子を加えて温経散寒する。

8)唐汉钧>
●益気温陽を基本、除湿化濁を標
①肉從蓉、仙霊脾、莵茲子で補腎陽する。②黄耆桂枝で益気温陽する。③当帰、丹参、紅花、生地黄で活血涼血する、血行すれば風自滅で痒みは取れる。
④半夏、陳皮、莱菔子、麦芽、紅棗、甘草は脾胃を調節して除湿する

10)赵健雄>
●脾肺から着手する。病呈が短い時、邪は肺に居る。病程が長くなるにつれて裏に侵入する、だから宣肺益気、活血温経する。紫苑について記載はないが宣肺するためであろう。

陽和湯+黄耆+活血化瘀を加えていく
(熟地黄、生地黄、鹿角霜、白芥子、炮姜、桂枝、麻黄、甘草);陽虚寒凝で陰疽

 

4)

7)

11)

9

①杨继荪

 

脾腎陽虚、血脈瘀滞

腎陽虚

陽虚寒凝、気滞血瘀、絡脈閉阻

気滞血瘀
桃紅四物湯加減

陽虚、衛外不固。皮膚には寒凝血瘀

熟地黄

15

20

12

 

 

生地黄

 

 

12

30

 

鹿角霜

30

10

15

 

鹿角片12

白芥子

15

 

 

 

9 

炮姜

10

 

 

 

 

桂枝

10

肉桂3

 

 

9

麻黄

 

 

9

10

4

附子

10

10

9

 

 

黄耆

15

 

炙黄耆60

30

15

桃仁

10

 

 

10

 

紅花

10

 

10

12

9

川芎

 

 

30

10

12

赤芍

10

 

 

20

 

当帰

30

15

 

15

12

 

血竭5
麻子仁15
牡蠣30
丹参30
穿山甲10

阿膠6
茯苓10
沢瀉10
山茱萸12
牡丹皮10

厚朴9
白朮9
細辛4.5
青蒿60
仙茅30
淫羊藿30
巴戟天30
胡芦巴12
天南星30

水蛭10
地竜10
路路通15
甘草6

炒蓬朮12丹参30沢瀉30
地竜12
青皮9
陳皮9

老中医のコメント
4)欧阳横>
●この病気は「毒瘡悪病」に属しその発病は風湿毒邪に関係する。だから温経行痺、和営通絡する。または軟皮散結できる川烏、草烏、附子、細辛、天南星、土龞虫、全蠍、蜈蚣、当帰、丹参、何首烏、牡蠣、穿山甲、麻子仁を使う。
7)禤国维>
●硬皮症は痺証に属す。素問に痺論で「痺は骨にあれば重く、脈にあれば血凝して流れず、筋にあれば屈伸できず肉にあれば不仁になり、皮膚にあれば寒になる」
この症例は脾腎陽虚で寒凝血滞である。補陽するが補陰を忘れない事
①附子、肉桂は温陽  ②熟地黄、山薬、山茱萸は補腎陰
11)陈湘君>
●「気は血の師」であり、「気行れば血行」より温陽散寒と同時に、益気活血が大事。
9)艾儒棣>
●この病は、正気不足で営外不固で、風寒湿邪が肌表に侵入して経絡を痺阻して気血運行不調になり、肌膚失養になって発症する。①治療の鍵は「通」である。桃紅四物湯②肺は皮毛を司るので麻黄を入れて、腠理を開き、毛窮を通じらせる。麻黄は辛温解表で峻剤なので用量に注意して効けばやめる
①杨继荪>
●本患者は寒凝血瘀で肌腠がふさがり不通。陽和湯加減使用して温養散寒、活血化瘀する。白芥子は経絡の痰を取り除くことができ通絡止痛できる。麻木、関節痛に有効。

 

独活寄生湯加減    2)朱仁康;限局性硬皮病
独活10当帰10桑寄生10牛膝10赤芍10地骨皮10桂皮6紅花9杜仲12淫羊藿12海風藤15仙茅15
①当帰、赤芍、紅花、鶏血藤は活血通絡
②独活、桑寄生、海風藤は袪風除湿
③桂枝、杜仲、牛膝、仙茅、淫羊藿は温腎陽、
④地骨皮(虚熱とるが主に肺熱をとる)は皮が原料なので皮に効く、すなわち皮膚の病所に直達する。

九味羌活湯合桃紅四物湯;14)孟如
羌活12防風12蒼朮15川芎12細辛3白芷12生地黄15黄芩12桃仁10紅花10当帰15赤芍12甘草3
●皮膚はツッパリ硬く、四肢冷、青紫は寒凝の表現、口苦、食道灼熱感は化熱の表れ。
九味羌活湯は散寒除湿して清湿熱できる。桃紅四物湯は養血活血通痺できる。
この病機によくあっている。

 

その他
風毒湿熱
5)朱良春>弥慢性硬皮病
当帰15生地黄15徐長卿12紅花12蝉退12地膚子12白鮮皮12赤芍12桃仁10茜草15荊芥9甘草5
●当帰、紅花、桃仁、赤芍は活血化瘀し生地黄、赤芍は瀉火、養陰、涼血する。
白鮮皮、地膚子は清熱利湿
②>娄高峰;限局性硬皮病
1)忍冬藤60薏苡仁30当帰30丹参20鶏血藤20赤芍15桃仁9紅花9姜半夏9陳皮9穿山甲9香附子20甘草9
●外邪侵襲が皮痺の主要病因であり、その中で風寒湿邪が主である、内在要素では臓腑失調があり、脾腎陽虚が主である。しかし熱に属するものもある。規則に固執してはならない。
気陰両虚
6)陈凯
沙参10麦門冬10生地黄10女貞子10旱蓮草10枸杞子10紫草10金銀花10玄参10石斛10党参10牛膝10当帰6黄耆15板藍根15薏苡仁15+水蛭3全蠍3
●慢性扁桃腺炎が病巣である。毒が尽きず、気陰両虚になり、皮膚失養。
①黄耆を重用して30g使う
②全蠍、水蛭は活血通絡、軟堅散結
気滞瘀血

16)马筑元
独活10防風10当帰10延胡索10川芎10桃仁10紅花10防已10桑寄生15丹参15伸筋草10海風藤15鶏血藤30薏苡仁30
●「諸病源候論」より風湿痺或いは皮膚肥厚、肌肉酸痛は風寒湿の三気が合したものである。気血不足で風湿を受けて経絡に入っておこす。陽経に入り、手足は動かなくなる。
●この病因は風寒湿邪であり、素体が気血不足で営外不固の所へ虚に乗じて邪が侵入して、肌膚経絡の間に客す。そして営衛不和になり気血凝滞して痺阻をおこす。
治療は
活血化瘀通絡で結合組織を軟化して
(鶏血藤、丹参、桃仁、紅花、伸筋草、当帰、延胡索)+海藻、昆布
袪風除湿で炎症性浸潤を軽減する。
(独活、防風、海風藤)
 
 
 
 
 
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