考察
①白いのは「気虚(陽虚)血渋」(渋とは滑らかでない事)すなわち気と血がめぐらないことであろう。青紫は気滞血瘀。
②江部先生は
白いチアノーゼ→血がいかないから白、気が行かないから冷。
気を行かすのは桂枝、呉茱萸。血を行かすのは当帰、川芎、牡丹皮
紫色のチアノーゼ→血は行くが帰れないから紫色。気を返すのは枳実。
血を返すのは芍薬。
指の色に変化はないが手足の先の冷える人(レイノーではない)では、血は行き帰りができるが気が血脈に沿って巡らないから。
参考>本草備要より「芍薬は営気が脈絡巡行からはなれ肉に逆した状態(腹痛発生)を治す。逆気を収斂して営気を戻す作用がある」としている。
(6)硬皮症は、中医的には痺証に分類され皮痺とされる。よって治療には温経通絡が多く、その他に活血通絡、理気通絡が採用されている
1)通絡について(これは一般の痺証にもあてはまる)
一般に通絡できる生薬は(中薬学より)桑枝、威霊仙、忍冬藤、鶏血藤、夜交藤、白芥子、全蠍、蜈蚣、地竜、路路通、烏梢蛇、白花蛇が主体である。
2)絡病学より通絡の効能あるものは、もう少し範囲が広くなっている。
資料2>
特徴としては①辛味で通絡する。 辛温通絡とか辛香通絡とか、②虫薬で通絡する
③藤薬で通絡する④絡が虚しているとき補で通絡する
3)一般に藤枝(鶏血藤、絡石藤、海風藤、鉤藤)はよじ登れるので四肢待末端に到達できる。威霊仙は十二経絡を通行できる。(参考)鶏血藤、鉤藤、青風藤(防已)が良いかも?
4)通絡と化瘀の違い(絡病学より)
絡には「経絡の絡」と「脈絡の絡」がある。前者は西洋医学的に言えば、神経、内分泌、免疫と関与して、その病は気の運行傷害、機能傷害としてあらわれ、温煦、推動、防御機能の失調として現れる。後者は血液の輸布と関与し、脈絡の血管の構造、収縮機能、血液の運搬と関与する。それには血虚と瘀血がある。絡病とは絡全体の異常であり、瘀血はその中の一部を反映しているに過ぎない。
(7)老中医の治療方のいろいろ
当帰四物湯、黄耆桂枝五物湯、陽和湯が主でその他に九味羌活湯、独活寄生湯がある
当帰四逆湯加減(当帰、桂枝、白芍、通草、細辛、甘草大棗) |