症例37 腰痛(ヘルニア)、頸部痛(ヘルニア)、54歳、女性
 
主訴>腰痛(ヘルニア)、頸部痛(ヘルニア)、不安
現病歴>H●年、5月腰椎ヘルニア、脊椎狭窄で手術。それまで痛みと痺れが酷かった。術後しびれは軽減したが、腰痛は軽減していない。翌年1月、道路で転んで首をいためる。その後、頸肩の痛み(首の後ろ側)、首周りのだるさ。首の後ろが熱い。6月に首のMRIで少しヘルニアあるといわれる。
ソラナックス1T/日、リリカ25mg1T/日内服中。
生活歴>
夕食7時、間食多い(1/日~1/2日、和菓子、駄菓子、アイス)水分1L/日、排便1.2/日、形はすっきりバナナ様。尿7/日。睡眠12~5。 断眠1.2/日すぐ寝る。1月半前までは不眠で、3時間/日くらいしか寝れず、眠剤服用していた(抗鬱剤と睡眠導入剤)。今はやめている。
現症>□は程度の強い症状
肩こり、足冷え、暑がり、手足しびれ、疲れやすい、めまい、よく頭痛、こむら返り、不安(自分の体と将来のこと)、憂鬱。気持ちそわそわ。立ちくらみ。肩いたい。鼻づまり(鼻水が降りてきて詰まる)、胸もやもや。腰痛。足腰無力。
月経>初潮12、閉経46才、月経量普通、月経痛、出産2回
診察>脈:右細弦軟、関弱  左細弦軟    舌:淡紅、黄白苔、裂少
腹診、心下やや痞硬、圧痛、腹部軟
SLRT左陽性、FNS両方陽性
●本人のいう、腰痛は左臀部の痛みで、重痛~刺痛で、朝はなく、夕方にかけてだんだんひどくなる。風呂でまし、横になるとまし、あおむけで酷くなる、雨の日に酷くなる。夏より冬がひどい。
首の痛みは後頸から左にかけて痛い。朝はましだが昼からだんだんひどくなる。風呂でまし、横になるとまし、雨の前日に酷くなる、重い~怠い感じで。頸から上を支えきれない感じ。

年齢

病歴

生活歴

10以下

体弱で入院多かった

 

18

頭痛で痛みどめよく飲む

販売の仕事

19

 

事務仕事

28

 

結婚(以後はミカン農家の仕事)

30

蓄膿。内服を46歳まで時々のむ

31,33歳で子供二人出産

40

ぎっくり腰、以後、年に一回おこる

 

46

乳癌で手術。不安神経症で内服開始、術後51まで内服。

 

49

 

主人が中国出張、年に1回帰る

53

腰ヘルニア、脊柱管狭窄で手術

 

54

転んでから頸へルニア

主人帰国。今は義父母と同居。5時起床は義父母の食事の為。

 

腰痛>
左臀部痛、重痛、風呂でまし、雨の日に酷くなる。夏より冬がひどい。

寒で湿邪が関与。

腰痛>
横になるとまし、朝はなく、夕方にかけてだんだんひどくなる

虚による腰痛も側面もある。

腰痛>
あおむけで酷くなる。刺痛。

仰向けで痛くなるのは圧痛と関与し、実邪。つまり瘀血。

首痛>
後頸から左にかけて痛い。朝はましだが昼からだんだんひどくなる。風呂でまし、横になるとまし、雨の前日に酷くなる、重い~怠い感じで。頸から上を支えきれない感じ。

 

虚による痛みと、寒湿が主であろう。瘀血の所見はみられない。

首痛>転んでから頸へルニア

弁病で瘀血だろう。

脈:右細弦軟、関弱、
腹診:心下やや痞硬、圧痛、腹部軟
舌:淡紅、黄白苔
鼻づまり(鼻水が降りてきて詰まる)
疲れやすい、めまい、

脾気不足と痰湿の邪がある。

脈左細弦軟   舌:裂少
手足しびれ、気持ちそわそわ。立ちくらみ。
こむら返り。胸もやもや
54歳、閉経後、少し前まで不眠。いまも眠剤服用、暑がり

陰血不足、

足腰無力、腰痛、足冷え

腎虚~腎陽虚?

肩こり

これの弁証は多い。気滞血瘀、寒湿、血不養筋など。→まず首痛を治す。

よく頭痛

これの弁証は多い。肝陽上亢、痰濁、瘀血、肝腎不足、気血不足。
→まず、首痛、腰痛をじす。

不安(自分の体と将来のこと

肝気虚(気血不足のこと)または心虚胆怯

憂鬱

イライラないので肝気虚。

弁証>肝腎不足、瘀血、寒湿、脾胃不和
治療>
黄耆8桂枝3莪朮8芍薬8甘草2桑枝8鶏血藤5葛根10骨碎補5牛膝8杜仲8威霊仙5+鹿角膠2
1週目には首、腰の痛みへる、足のしびれも減る、以後これを中心に加減して二か月で治療は終了。(途中、首痛のとき熱さも伴うようになってきた、忍冬藤、地竜加味して軽快。)
 
 
 
 
 
 
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