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    ドクターエッセー 第38回  【閑話休題】 中国の演劇:印象麗江  
 

 中国を旅行して店先でお土産を物色していると、店主が「この印鑑は象牙だよ」と言ってきました。「200元(約3500円)で象牙はないでしょ。象牙らしきものでしょ。」というと「是的(そうだ)」と返事が返ってきました。「あれっ、この店主いがいと正直者ものだなあ」と思い聞いてみると、日本の横浜中華街に毎年一回行って似顔絵をほった印鑑をうっているとのことでした。少し日本通でもあったようです。
中国のネットショップに陶宝(タオパオ)という店があります。日本の楽天ショップのような感じでとっても大きいショップです。でもそこで売られている商品でも偽物があるとのことです。個人参加のマーケット商品ではなく、会社が売っている商品の中にも偽物があるとのことです。たいていの中国人はそれを知っていました。中国は大きい国なので、いろんな面において、おおざっぱでいい加減なところがあります。模倣品、偽物のオンパレードです。
今回観光で雲南省の玉竜雪山にいき、そのふもとで印象麗江という演劇を見てきました。セリフは少なく踊りと音楽が主なのですが、とっても牧歌的で雄大な演出でした。チャンイーモーが演出したとのことです。かれは僕でも知っているくらいの有名な映画監督です。俳優たちの動きがとても統一されていてリズム感があり、少しコミカルな部分も取り入れてました。写真1はその一シーンです。茶摘み女たちの踊りとパフォーマンスです。おどりの途中一人が独唱します。背景には海抜4500メートルの玉竜雪山がそびえています。とおく離れたところからの独唱が会場に響き渡ります。この演劇は玉竜雪山のふもとにある麗江という村の人々の話です。争い、災害を乗り越えて生きてきた彼らの歴史や生活を描いた演劇です。背景は夏でも雪をたたえた雄大な山々。統一された踊り、音楽に合わせての舞踊、素敵な民族衣装はとても優雅で時にコミカルでした。争いの場面では、馬に乗った若者が舞台を走り回り観客席の周りをぐるりと走り回る演出もありました。模倣の多い中国で、この舞台は圧巻でした。独創的な演出を駆使して古代中国を彷彿させてくれました。これは模倣ではなくかれらの独創だと感じました。

本来中国は古代にて、四大発明をしています。羅針盤、紙の製造、火薬の製造、印刷技術の開発。彼らは本来こういった独創的なものを作れる国民でもあるわけです。最近はよその真似をすることがあまりに多すぎるので忘れかけていましたが、今回の旅行ではそういう独創的な一面を垣間見れたのがとってもよかったです。
写真1
 
 
 
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