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    ドクターエッセー 第31回  【閑話休題】 パスポートについて  
 

日本のパスポートはとっても強いらしい。パスポートが強いってどう意味? 僕も最初はわかりませんでした。それはビザの免除国がどれだけ多いかということです。パスポートは自国が発行しますが、ビザとは入国する国がだす入国許可書みたいなものです。ある国では、A国に行くためにA国の大使館へ一杯申請書を出してやっともらえる。場合によってはダメなこともある。それがビザです。
僕はひとりでよく中国に行きますが、2週間以内ならビザは不要です。パスポートとお金さえあればいつでも中国に行けます。日本人がビザなしで行ける国はアメリカ人と同じく186カ国です。ただ親日国のトルコでは、日本人はビザ免除だけどアメリカ人は到着ビザといって入国時に20ドル支払いがいります。たかだか20ドルとはいえ、日本人ならタダです。日本のパスポートを見せるだけでよいのです。やはり日本のパスポートは強い!といえます。
ところが中国人が日本に来ようとするのは大変なことらしいのです。それも最初はよくわかりませんでした。だって爆買といって中国人が日本に大量に押し寄せてくるからです。調べてみると団体で来る場合、もし失踪したら旅行会社が責任を負うことになっているので、保証金として5万元(約85万円)を支払うことになっているようです。個人観光ビザで来る場合、年収が6万元以上(約100万円)あることの証明書が必要です。少し前までは年収25万元以上でした。知人訪問ビザでくる場合は、旅行のスケジュールを提出して、受け入れ先の日本人の源泉徴収表も日本大使館に提出しないといけません。日本人から見れば、決して高いハードルではありませんが、煩わしさで嫌になってしまいます。中国人の若者にとっては、6万元でも結構ハードルになっているようです。ただこれは日本と中国の関係だけではなく、他国でも同じようなのです。中国人の一般人が外国へ行くとき、ビザなしで行ける国は18カ国しかありません。世界では92位になるそうです。

中国のGDPが世界第2位になっても、ビザでは92位なのは国と国民の品格が原因といわれています。確かに、中国人のマナーの悪さに辟易することも多いです。ただ、これを中国人とひとくくりするのはよくありません。例えば台湾は、同じ漢民族ですが、台湾人にマナーの悪さを感じることはまれです。日本人と同じような感覚です。台湾では、ビザなしで行ける国は126カ国です。つまり民族の問題でなく、教育、環境の問題が大きいようです。僕も年が明けると、すぐに62歳になります。同輩諸君、健康なうちにしっかり休みをとって、強いパスポートをもっとどんどん利用しましょう。
 
 
 
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