G-7)後半に黄耆を使うか否か
黄耆よくない10
「陰虚肺熱、肺絡失寧の症例に、本例は長期咳漱で肺陰損傷して陰虚火旺あり。気虚は明瞭でないが無力あるので太子参、山薬つかった。人参、黄耆、白朮は使わぬ。温燥で動火の弊があるから。」
黄耆必要22
「拡張症の治療4原則として④気陰を考量して後期には、標本兼顧して清熱化痰、滋陰潤肺、北黄耆生脈散加薏苡仁、敗醤草使用する。黄耆は後期には欠かせない中薬とする」
G-8)伏火24、伏痰12
「①伏火が肺絡を焼灼して喀血するのが初発原因である
治療方針「涼血、止血、滋陰」
①涼血:玄参、生地黄、白芍、牡丹皮、白茅根
②止血:地楡炭、側柏葉、藕節、阿膠、三七、白及(3,14,32)
③滋陰:沙参、麦門冬、五味子、百合、天門冬
●改善後、沙参を入れて肺陰をかため伏火を制することを忘れてはならぬ24
「①哮喘は外感が伏痰を誘発しておこるもの。三拗湯に紫苑、百部、白前。宣肺平喘して止咳化痰する。蘇子、白前は降気袪痰する」 12-2)
H)麻黄使用の注意点>(発汗作用があるので陽気、津液損傷しやすい。)
咳漱で痰熱壅肺なら、一般には清金化痰湯である。しかし、麻黄剤の使用もある。どのようなときに麻黄を使うか?「風熱または風寒入裏で脈不浮のとき、老中医はどのように麻黄剤つかうか」
①急性~慢性気管支炎の麻黄使用症例11例中から
喘鳴があるとき5。胸悶閉塞2、発熱が取れないとき1。風寒が未徹1、
痰鳴あるとき1咳漱気急1、
②そのうち、慢性気管支炎で
慢性気管支炎5)靳文清>地竜は麻黄の升性を下げて平喘を助ける
慢性気管支炎13)刘越>二陳湯+麻黄、桔梗(肺気の郁をとる)→継続的に使用。
慢性気管支炎16)王行寛>麻黄を入れるのは郁火を発散させるためである。火が発散して喘はやむ。苦寒のみなら火は発散する方法がない、氷に出会い内閉してしまう。
③硬皮症より
9)艾儒棣>麻黄は辛温解表で峻剤なので用量に注意して効けばやめる。
④痺証から
私見>麻黄は衛気を鼓舞して且つ営気をめぐらせて寒邪を除く作用があるので(去营中寒邪,调血脉;本草備要より)風寒湿痺には有効と考える
⑤深い所に麻黄をつかう場合
1)陽和湯は血虚で寒凝痰滞した陰腫につかう方剤である。麻黄は腠理を開いて血分の寒邪を表へ誘導する。
2)麻黄附子細辛湯
麻黄は表に残る寒邪と少陰に直中した寒邪を発散させる
I)痰熱壅肺の咳漱に麻黄剤以外ではどう対処するか
急性気管支炎で19)滕宣光 痰熱壅肺
「6歳、咳漱が半月余り続く。いま咳漱はせき込みがあり声は重く痰有、夜間咳重、納差、便干、尿黄少。舌質紅、苔薄白、脈滑数。呼吸音は粗。」
蘇子10黄芩10桑白皮10杏仁10葶藶子6白前10百部10枇杷葉10鉤藤10牡蠣15海浮石15天竺黄10
老師は小児の咳漱治療には
①核心治療として蘇子、黄芩、杏仁、桑白皮使う。蘇子は辛温で降気袪痰でき、黄芩は苦寒で清肺するが蘇子黄芩で辛開苦降できるので良い。桑白皮は甘寒で清肺でき、杏仁は辛温で滑潤できる。すなわち4剤で辛開苦降、清潤できる。
②痰熱は傷陰するので百部、枇杷葉入れて潤肺止咳する。
③咳漱がひどく治りがたいのは、痰と気が詰まっているからだ。
葶藶子でなければとれず白前を配する。白前は葶藶子の寒性を和らげ降気袪痰する。
④痰越互結で取れない者は牡蠣、海蛤穀、海浮石を使う
⑤発作的咳漱には地竜、鉤藤の併用が良い。
⑥痰熱壅盛には天竺黄が良い
J)参考>「邪が入里して脈不浮」のとき、麻黄剤以外の解表剤は使用できるか否か。
使用例はある。
1)養陰清肺湯(白候の方剤)の中に薄荷いれて疏風散熱はかる
2)沙参麦門冬のなかに桑葉いれて肺燥を治す
3)仙方活命飲の中に防風、白芷しれて疏散外邪する。
4)托里透膿散の牛蒡子、白芷 |